味仙ホーチミン本店、今更だけど名古屋発祥「台湾ラーメン」を食べてきた
名古屋発祥「台湾ラーメン」の起源と味仙

「台湾ラーメン」という名称を聞いて、台湾発祥のラーメンを想像する人もいるかもしれませんが、実は名古屋が発祥の地です。この独特なラーメンは、名古屋市千種区今池に本店を構える老舗中華料理店「味仙(みせん)」で生まれました。
味仙の創業者が、台湾の担仔麺(タンツーメン)をベースに、唐辛子やニンニクを効かせた激辛の味付けにアレンジしたのが始まりとされています。豚ひき肉、ニラ、もやしなどがたっぷりと入った醤油ベースのスープは、強烈な辛さの中にも深い旨味があり、一度食べると病みつきになる人が続出しました。
名古屋では、この味仙のラーメンが「台湾ラーメン」として広く知られるようになり、今や名古屋を代表するソウルフードの一つとして確固たる地位を築いています。味仙は名古屋市内に複数の店舗を展開し、どの店舗も連日多くの客で賑わっています。
ベトナム初進出:味仙ホーチミン店
その名古屋の味仙が、2024年9月に満を持してベトナム・ホーチミン市に海外初店舗をオープンしました。近年、日本のラーメン店の海外進出は珍しくありませんが、名古屋を代表する味仙の進出は、現地の日本人駐在員や地元の人々、そして日本のラーメンファンにとって大きなニュースとなりました。
オープンから少し時間は経ちましたが、筆者もホーチミンを訪れる機会があり、待望の味仙ホーチミン店へ足を運びました。愛知県出身の筆者にとっては、まさに故郷の味との再会であり、期待に胸が膨らみます。
ホーチミン店での実食レポート

久しぶりの味仙ということで、胃腸への負担を考慮し、辛さを抑えた「アメリカン」を注文することにしました。味仙の台湾ラーメンには、独特の辛さレベルが存在します。
ユニークな辛さの段階
味仙の台湾ラーメンの辛さは、以下のようなユニークな名称で段階分けされています。
- 辛くない: 辛味を完全に抜いたもの。
- アメリカン: 辛さ控えめ。コーヒーのアメリカンが薄めであることに由来すると言われています。
- 普通: これが標準の台湾ラーメンの辛さです。
- イタリアン: 普通よりも辛いレベル。由来は諸説あります。
- アフリカン: さらに辛いレベル。
- エイリアン: 最上級の辛さ。未知の辛さという意味合いでしょうか。
今回注文した「アメリカン」は、辛さ控えめとされていますが、それでも十分に刺激的な辛さでした。一口スープをすすると、唐辛子の刺激と共に、ニンニクとひき肉の旨味が口の中に広がります。食べ進めるうちに、じんわりと汗が噴き出してきました。しかし、ただ辛いだけではなく、後を引く美味しさがあるのが味仙の台湾ラーメンの真骨頂です。麺は中細のストレート麺で、辛いスープとよく絡みます。久しぶりに味わうこの刺激と旨味に、改めて感動しました。
台湾ラーメンだけではない味仙の魅力
味仙の魅力は、台湾ラーメンだけにとどまりません。実は、一般的な中華料理のメニューも豊富に揃っており、そのどれもが高いレベルで美味しいと評判です。
例えば、青菜炒めはシャキシャキとした食感と絶妙な塩加減が人気です(ベトナム料理でも似たものが良くでますね)。麻婆豆腐や酢豚、チャーハンなども定番メニューとして人気があります。
そのため、辛いものが苦手な方でも、味仙で食事を楽しむことは十分に可能です。「辛くない」台湾ラーメンを選ぶこともできますし、他の中華料理メニューを堪能するのも良いでしょう。家族連れやグループでの利用にも適したお店と言えます。
ホーチミンで勢いを増す名古屋発祥ラーメン店
味仙のホーチミン進出は単独の動きではなく、近年、名古屋発祥のラーメン店がベトナム、特にホーチミン市で存在感を増している流れの一部と見ることができます。
例えば、豚骨ラーメンで有名な「一番軒」も名古屋発祥のラーメン店であり、ホーチミン市内に複数の店舗を展開しています。その人気は高く、最近ではハノイにも出店を果たしました。
また、ハノイを中心に担々麺専門店を展開している「東京担々麺」も、そのルーツは名古屋にあると聞いています。このように、名古屋のラーメン文化がベトナムの地でも評価され、広がりを見せていることは興味深い現象です。
味仙の進出は、この名古屋ラーメン勢のベトナムにおける躍進をさらに加速させるかもしれません。今後、他の名古屋発祥の店が続く可能性も考えられます。
店舗情報
- 場所の名前
- 味仙 ホーチミン
- 住所
- 17/22 Đ. Lê Thánh Tôn, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh
- 営業時間
- 昼 11:00〜14:00、夜 17:00〜24:00
- 価格帯
- ラーメン 120000VND〜、一品 100000〜200000
- 日本語電話対応
- あり
- 備考
- 店員さんは日本語が少し話しができました。レタントンのヘムの中なので店はそんなに大きくありませんでした。